当社(株式会社サンエース)は、マスクや各種乾式フィルター類の捕集率を向上させる
「フィルター機能向上剤」を開発し、特許を取得しました。
このフィルター機能向上剤は、マスクや乾式フィルターの表面に、繊維状物質(セルロースナノファイバー等)によってさらに細かい網目を形成し、PM2.5、花粉やウィルスといった異物の捕集率を大幅に向上させる液状処理剤です。安全快適な生活環境の実現のため、日用品・家電・住宅設備・その他消費財メーカー様との協業を通じ、早期の製品化を目指します。
Product features
1point
「寄せ付けない」ではなく「通さない」 フィルターの目を高密度化する事で、物理的に異物を「通さない」
2point
フィルターの穴に「極細繊維の網」を形成し捕集効率を高めるため、通気性能の低下は限定的。
3point
液状の処理剤で、スプレーでの噴霧や液中に浸す事で処理ができ、毎日手軽にご使用いただけます。
4point
乾式であればフィルター全般に使用できる、 高い汎用性を備えています。
「暑いくて苦しい不織布」「布マスクでは防げない?」様々な情報が飛び交い、試行錯誤のコロナ禍。 そんな日々の生活を少しでも快適に、手軽にマスクの効果を高められないか、そんな想いからこのフィルター機能向上剤を開発しました。
長年、プラスチック向け添加剤に携わる中で、多くの素材・原料を扱ってきました。自然の「木」から作り出される「セルロースナノファイバー(CNF)」もその一つです。凝集しやすいCNFがフィルター表面で網目を作るように、コア技術である分散技術を余す事なく注ぎ込み作り上げました。
Detailed information
PET製のメッシュとウレタンマスクの上から、フィルター機能向上剤をスプレーし高密度の網掛けを行いまいました。処理前と処理後の状態を拡大・比較した写真です。
PET繊維のメッシュ(目開き150μm)を200倍に拡大したSEM写真(①)です。
※通常の布マスクの目開きは50〜150μmのため、同様の効果が期待できます。
①PET繊維メッシュの200倍拡大写真
この繊維メッシュ(①)にフィルター機能向上剤をスプレーし、200倍、5,000倍に拡大したSEM写真(②)です。拡大部分のバースケール(3μm)と比較すると、大きく開いた部分でも5μm前後。CNFのとても細かい網目が形成されていることを確認できます。 この細かい網目により、目開き150μmでは捕集できなかった微細粒子を、捕集することが可能になります。
②スプレー済みの繊維メッシュ 200倍・5000倍拡大
一般的なウレタンマスク(目開き100μm以上)を100倍に拡大したSEM写真(③)です。
③ウレタンマスクの100倍拡大
ウレタンマスクにフィルター機能向上剤をスプレーし、100倍・1,000倍に拡大した写真(④)で す。無数にあいていた穴がCNFにより網かけされていることを確認できます。 折り重なるように網をかけている繊維の間には、5μm前後の隙間があることも確認できます。 この適度な隙間が微細粒子を捕捉しつつも、通気を損なわないメカニズムです。
④スプレー後のウレタンマスク 200倍・1000倍拡大
先程の網掛け処理済みのPTE製メッシュ・ウレタンマスクで、2.6μmの微粒子・石松子(シダ植物の胞子)を使い微細粒子の捕集能力を検証しました。
PET製メッシュの反処理面から吸気し、2.6μm微粒子を捕集し拡大した写真(⑤)です。フィルター機能向上剤のCNF繊維により、微粒子が捕集されていることを確認できます。
⑤微粒子捕集後のスプレー済みPET繊維 200倍・5000倍拡大
PET製メッシュと同様の方法で、石松子を捕集した後マスクを拡大した写真(⑥)です。未処理のウレタンマスク(⑦)と比較するとその効果は一目瞭然です。
⑥石松子捕集後のスプレー済みウレタンマスク 200倍・1000倍拡大
⑦石松子捕集後の未処理ウレタンマスク 100倍拡大
最後に布マスクにフィルター機能向上剤をスプレーし、捕集率の変化を確認しました。 ※未処理のウレタンマスクとサージカルマスクも比較対象として含めています。
処理前は捕集率47%だった布マスクが、フィルター機能向上剤をスプレーすると95%弱の捕集率と大幅に向上しました。
そして、この捕集率95%という数字は、サージカルマスクの97%に迫る極めて高い捕集率です。
Future plans
フィルター機能向上剤は中間原料のため、今後、日用品、家電、住宅設備、機械設備メーカーとの協業を通じて製品化を行う計画です。 現在、想定しているアプリケーション例は以下の通りです。
株式会社サンエース
会社概要
塩化ビニル安定剤、金属石鹸、その他特殊添加剤の製造販
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