高機能添加剤 SCI-LOP

一つの添加剤で複数の効果発現。プラスチック原料に向けた新しい添加剤。

新素材時代の定番添加剤

高機能添加剤 SCI-LOPシリーズ

滑性・分散・離型性・流動性を一体で底上げ。フィラー高充填や有機顔料の高着色、CNFなどサステナブル素材の分散にも対応し、加工の安定化と品質向上を同時に実現します。

無添加時のダイス出口(目ヤニが付着した状態) SCI-LOP添加時のダイス出口(目ヤニのない状態)

SCI-LOPシリーズとは?

プラスチック加工における下記のような課題を改善する高機能添加剤です。

  • フィラー高充填時のトルク上昇・発熱
  • サステナブル素材・顔料等の原料分散不良
  • フィラー高充填時の流動性低下
  • 押出成形時の金型付着、目ヤニ発生

設計思想

設計思想:分散性・流動性・物性向上・目ヤニ改善の4つの効果を1つの添加剤で発現

様々な無機・有機物の混合品を扱ってきた技術を応用し
プラスチック原料に向けた新しい添加剤を開発

用途・適用事例

PP+タルクの押出

PP+タルク

トルク低減・発熱抑制・目ヤニ防止で安定押出。

有機顔料配合樹脂の分散状態

有機顔料配合樹脂

分散性向上で高着色・コスト最適化(減配検討)。

PP樹脂+CNFのストランド

PP樹脂+CNF

CNFの微細分散で物性安定・外観改善に貢献。

SCI-LOPシリーズ一覧

対象レジン 推奨温度
(℃)
推奨用量
(%)
目やに 分散 流動/離型
パージ
PL対応 用途 備考
LOP-F1PE、PP、PS150〜2200.1〜3.0取得済みフィラー
難燃剤
顔料
LOP-F2PE、PP、PS150〜2400.1〜3.0可フィラー
難燃剤
顔料
LOP-F1
目ヤニ防止効果改良品
LOP-WCPPE、PP、PS150〜240フィラーに対して10%可サステナブル素材
(セルロース系、卵殻等)
LOP-H2発泡PS160〜3500.1〜1.0取得済み発泡成形
顔料
LOP-EP2PE、PP、PS
特殊オレフィン
160〜3500.1〜3.0可フィラー
難燃剤
高耐熱向け
LOP-PC2PA、PET、PBT、PC、
PLA、PMMA、POM
160〜3500.1〜3.0取得済みフィラー金属フリー
LOP-MF2エラストマー
ABS
150〜2000.1〜3.0可フィラー
難燃剤
金属フリー
LOP-Pig1PE、PP、PS150〜240顔料に対して
10〜当量
可顔料
SAK-LOP1PE、PP、PS150〜2500.1〜3.0取得済み顔料
SAK-LOP2PE、PP、PS150〜2500.1〜3.0可顔料粒状

サンエースが提案するLOPシリーズとは?

サンエースが提案するLOPシリーズ:金属石鹸→特殊金属石鹸→高機能性添加剤(LOPシリーズ)の系統図

技術データ・検証結果

流動性向上のメカニズム

一般的に、無機フィラーを高充填すると、フィラー同士が接触して粒子間摩擦が増加し、樹脂の連続層が途切れ樹脂の流動性を阻害します。結果として溶融粘度が上昇し、流動性が低下します。

LOPを使用することによって

  1. 界面潤滑効果 LOPがフィラーや樹脂鎖の表面に吸着し、薄い潤滑膜を形成。
    結果、粒子同士や樹脂-粒子間の摩擦が低下、フィラーの凝集や引っかかりが減少します。
  2. 分散性向上 LOPによりフィラー表面がコーティングされ、凝集が防がれます。
    結果、フィラーが均一に分散し、樹脂相の流れがスムーズになります。
  3. 樹脂鎖の可動性向上 LOPが樹脂鎖の間に入り込み、分子間力(特に極性相互作用)を緩和。
    結果、樹脂鎖が動きやすくなり、溶融粘度が低下します。
  4. せん断応力の緩和 LOPが潤滑膜として作用することで、せん断応力集中を防ぎ、局所的な流動障害を減少させます。

以上の効果により流動性が向上します。

技術データ

試験配合 樹脂のみ 無添加 SCI-LOP添加
0.5%1%2%
PP(ホモポリマー)1005049.54948
タルク50505050
SCI-LOP0.512
合計(%)100100100100100
MVR測定結果:SCI-LOP添加量増でPP単体を超える流動性を獲得
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試験配合樹脂のみ脂肪酸処理SCI-LOP添加
LDPE1005049
脂肪酸処理水酸化Mg5050
SCI-LOP1
合計100100100
MVR測定結果:SCI-LOP添加によりLDPE単体並みの流動性を確保
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トルク低減、発熱抑制のメカニズム

一般的に、フィラーを高濃度で充填すると、フィラー同士、フィラーと樹脂、フィラーと金属(スクリュー・バレル)間で摩擦が増加し、混錬抵抗(トルク)が大きくなり、せん断発熱が増加します。同時に、フィラーの分散が悪く、樹脂がフィラーの隙間に均一に入り込めない場合、局所的に高せん断が発生しトルク上昇、発熱増加となります。

LOPを使用することによって

  1. LOPが樹脂分子鎖間やフィラー表面に吸着し、分子間の相互作用を弱めます。
    また、樹脂・フィラーと金属表面(スクリュー・バレル)との間に薄い潤滑膜を形成し摩擦を低減します。
  2. フィラー表面に吸着したLOPはフィラー同士の凝集による局所せん断を防止します。

以上の効果によりトルクの上昇と発熱を抑制します。

技術データ

トルク測定結果:SCI-LOPを1%添加でPP樹脂のみと同等までトルクを低減
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測定温度200 ℃
回転数60 rpm
充填率90 %
予熱時間1 min
【試験結果】 ゲル化 定常
時間
(min:sec)
トルク
(Nm)
時間
(min:sec)
トルク
(Nm)
PP 樹脂のみ00:0510.105:005.3
ブランク(PP+タルク50%)00:0513.805:009.9
ブランク+SCI-LOP 0.5%00:0512.305:007.2
ブランク+SCI-LOP 1.0%00:0511.705:004.9
ブランク+SCI-LOP 2.0%00:059.805:004.4
樹脂温度測定結果:SCI-LOPを2%添加でPP樹脂のみと同等まで発熱を抑制
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測定温度200 ℃
回転数60 rpm
充填率90 %
予熱時間1 min
【試験結果】 ゲル化 定常
時間
(min:sec)
樹脂温度
(℃)
時間
(min:sec)
樹脂温度
(℃)
PP 樹脂のみ00:05196.905:00202.2
ブランク(PP+タルク50%)00:05199.005:00205.6
ブランク+SCI-LOP 0.5%00:05196.605:00204.9
ブランク+SCI-LOP 1.0%00:05197.105:00203.6
ブランク+SCI-LOP 2.0%00:05198.305:00202.4

目ヤニ防止のメカニズム

目ヤニ発生の要因は主に下記の要因からなると考えられています。

  1. 金型表面と樹脂の界面に滑り層が形成されない。 樹脂分子鎖(特に高分子末端や添加剤残渣)が直接金属面に接触。
    樹脂がダイ表面に引っかかる様に流れる。
  2. 流動不均一が発生。 金型表面近くでは流れが遅く、中心部は速く流れる(剪断速度勾配が大きい)。
    これにより熱履歴の蓄積や分解生成物の付着が発生する。
  3. 樹脂分解や酸化物が金型に付着し、目ヤニを形成。 分解生成物(低分子化物やカーボン化物)が蓄積。
    徐々に流路端から剥離し、製品表面に黒点・異物として現れる。

LOPを使用することによって、金型表面に分子レベルの潤滑フィルムが形成され、樹脂がその上を滑るように流れる状態となります。その結果、摩擦熱や分解を防ぎ、目ヤニ発生を長期間抑制できます。金型と溶融樹脂の界面に滑り層が形成され、摩擦と熱劣化が抑制される事をイメージしています。

以上の効果により目ヤニの発生を抑制します。

技術データ

PP+タルク50%

無添加

PP+タルク50% 無添加 引き写真 PP+タルク50% 無添加 拡大写真

SCI-LOP添加

PP+タルク50% SCI-LOP添加 引き写真 PP+タルク50% SCI-LOP添加 拡大写真

PP+セルロース51%

無添加

PP+セルロース51% 無添加 引き写真 PP+セルロース51% 無添加 拡大写真

SCI-LOP添加

PP+セルロース51% SCI-LOP添加 引き写真 PP+セルロース51% SCI-LOP添加 拡大写真

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金型(ダイ)と溶融樹脂の界面に滑り層が形成されるイメージ

分散不良発生防止のメカニズム

微細な無機粒子は、分子間力(ファンデルワールス力)や静電的引力によって凝集しやすい性質を持ちます。粒径が小さくなるほど表面積と表面エネルギーが増大し、これらの力が支配的となるため、粒子は容易に凝集してしまいます。

LOPを使用することによって

  1. 電気的反発効果 LOPが粒子表面に吸着して同符号の電荷を与え、粒子間に反発力を発生させます。
    これにより粒子が近づくのを防ぎ、凝集を抑制します。
  2. 表面改質効果 粒子表面の親水性/疎水性バランスを調整し、樹脂との濡れ性を改善します。
    その結果、粒子が樹脂中に均一に分散しやすくなります。

以上の効果により分散不良の発生を防止します。

これらの作用は無機粒子だけでなく、より微細で凝集しやすい有機顔料にも有効です。

技術データ

無機フィラー

PP+フレークタルク50%

PP+フレークタルク50% 無添加

無添加(PP+フレークタルク)

PP+フレークタルク50% ステアリン酸亜鉛添加

ステアリン酸亜鉛 添加

PP+フレークタルク50% SCI-LOP添加

SCI-LOP 添加

PP+硫酸バリウム5%

PP+硫酸バリウム5% 無添加

無添加(PP+硫酸バリウム)

PP+硫酸バリウム5% SCI-LOP添加

SCI-LOP 添加

有機顔料

試験配合基準SCI-LOP処理
PP(ホモポリマー) MFR:2.399.4599.42
チタン0.50.5
顔料0.050.05
LOP添加剤0.03
合計100100
成形品比較(基準/SCI-LOP処理)
50倍拡大写真(基準/SCI-LOP処理)
サンプル名顔料濃度(%)L*a*b*⊿L*⊿a*⊿b*⊿E(ab)
基準0.0569.7441.751.11
顔料20%増量品0.0667.8843.731.95-1.861.980.842.84
顔料40%増量品0.0766.5845.062.53-3.163.311.424.79
顔料60%増量品0.0865.2946.443.32-4.454.692.216.83
SCI-LOP処理0.0568.2645.342.56-1.483.591.454.14
色差図(L*・a*b*・ΔE)

LOP処理効果

LOP処理効果:約30%の減配で顔料40%増量と同等の着色力

その他・技術検証データ

顔料 造粒品 外観及び見掛け密度
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顔料 造粒品 外観及び見掛け密度

硬質PVC CNF分散処理 分散結果
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硬質PVC CNF分散処理 分散結果

硬質PVC CNF分散状態 SEM画像(200倍)
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硬質PVC CNF分散状態 SEM画像(200倍)

硬質PVCパイプ CNF分散状態 SEM画像
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硬質PVCパイプ CNF分散状態 SEM画像

サステナビリティ

再生樹脂やセルロースナノファイバー(CNF)など環境配慮素材への適用で、性能と環境性の両立を支援します。

LOPのサスティナブル素材への効果(ストランド拡大写真50倍)
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